Japanese
English
綜説
最近の急性心筋梗塞症の診療—特に日本における現状について
Recent Care of Acute Myocardial Infarction: Especially a current state in Japan
森 康宏
1
,
花田 裕之
1
,
石坂 浩
1
,
小野寺 洋幸
1
,
鎌田 孝篤
1
,
松永 敏郎
1
,
吉町 文暢
1
,
長内 智宏
1
,
奥村 謙
1
Yasuhiro Mori
1
,
Hiroyuki Hanada
1
,
Hiroshi Ishizaka
1
,
Hiroyuki Onodera
1
,
Takaatsu Kamata
1
,
Toshiro Matsunaga
1
,
Fuminobu Yoshimachi
1
,
Tomohiro Osanai
1
,
Ken Okumura
1
1弘前大学医学部第2内科
1Second Department of Internal Medicine, Hirosaki University School of Medicine
pp.1223-1231
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902578
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わが国では高齢化社会を背景とし,種々の動脈硬化性疾患が増加している.その代表が急性心筋梗塞症(acute myocardial infarction;AMI)である.AMIを発症すると,30〜40%の患者は発症直後に心室細動により死亡し,病院に搬送された患者の約10%が院内で死亡する.また生存退院しても,かなりの患者が心不全や不整脈,狭心症発作に苦しみ,死亡する例も多い.このようにAMIは死亡率が高く,また退院後もQOLを著しく損なう疾患であり,循環器疾患のなかでもっとも重要である.
本邦の循環器疾患の特徴や医療の実情に即した標準的な診療基準を設定する必要から,日本循環器学会は1998年に「循環器病の診断・治療ガイドライン作成のための研究班」を発足させた.日本人と欧米人では虚血性心疾患の病態や予後が異なり,また治療法の選択にも違いがあるため,わが国独自のガイドライン作成の意義は大きい1,2).
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