Japanese
English
特集 虚血再灌流と臓器障害
再灌流による細胞死
Myocardial Cell Death Induced by Ischemia-Reperfusion
三浦 俊郎
1
Toshiro Miura
1
1山口大学医学部器官制御医科学講座循環病態内科学
1Department of Bioregulation, Division of Cardiovascular Medicine, Yamaguchi University School of Medicine
pp.27-34
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902222
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はじめに
心筋梗塞発症後の再灌流療法が血栓溶解剤や経皮的冠動脈形成術(PTCA)によって行われるようになり,心筋梗塞後の死亡率は低下し,予後の改善に大きく寄与している1).しかし,再灌流を梗塞発症後2〜3時間以内というgolden timeに達成しても,心筋梗塞サイズの縮小が必ずしも得られるとは限らない.再灌流によって,直後に急激なECG上のSTの再上昇や胸痛の悪化を認める症例もあり,再灌流療法によってすべてが解決しているわけではない.
虚血再灌流障害の機序については従来より再灌流時の急激なカルシウムの細胞外からの流入により引き起こされると考えられている.また,再灌流時の細胞死には従来から言われているnecrosisに加えて,apoptosisが発生していることが最近報告されてきた.
本稿では,これらの知見の意義をわれわれの知見を含め概説し,今後の虚血再灌流障害に対する治療について考察する.
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