今月の主題 急性心筋梗塞Q&A
発生機序と病態をめぐって
再灌流障害はなぜ起こるか
片桐 敬
1
1昭和大学医学部第3内科
pp.1479-1481
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903777
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●虚血再灌流障害は,虚血による心筋傷害,特に筋鞘や小胞体などの膜性微小器官の崩壊がある程度進行しているところに動脈血が再灌流され,大量の酸素とCa2+が供給されることにより発生する.
●スーパーオキシド,過酸化水素,ヒドロキシラジカルなどの酸素由来のフリーラジカルの発生により,膜のリン脂質の過酸化反応と透過性亢進が起こり,Ca2+などのイオンが細胞内に異常流入して過収縮帯を生じ,虚血心筋を物理的に引き裂く.
●大量に流入したCa2+は,Ca2+依存性反応を亢進させて虚血心筋の消化を促進し,また心室細動などの致死性不整脈を発生させる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.