Japanese
English
Current Opinion
心臓弁膜症—外科治療を中心に
Valvular Heart Disease: Surgical treatment
石原 和明
1
,
川副 浩平
1
Kazuaki Ishihara
1
,
Kohei Kawazoe
1
1岩手医科大学第3外科
1Third Department of Surgery, Iwate Medical University School of Medicine
pp.921-925
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902158
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■心臓弁膜症をめぐる最近1年間の話題
現在では心臓弁膜症に対する外科治療は安定した術式となり,手術成績は満足できるものである.日本胸部外科学会による最新の本邦集計1)によれば,1997年の心臓弁膜症に対する手術総数は8,154例で,病院死は3.9%,僧帽弁手術の32%は弁形成術,大動脈弁手術の2%は弁形成術であり,弁膜症の初回手術病院死亡率は3.4%,再手術死亡率は7.8%であった.使用された人工弁は機械弁6,826個,生体弁923個であった.このように,既に標準化された術式における成績を手術死亡率でみる限りは,良好といえるが,これからの外科治療では手術死亡だけでなく術後遠隔期のQOLを考慮した外科治療体系の確立が課題である.
この1年間に報告された外科治療に関する論文では,自己肺動脈弁による大動脈弁置換術(Ross手術),大動脈基部再建を必要とする大動脈弁疾患の外科治療,僧帽弁形成術の術式,低侵襲心臓手術(MICS:minimally invasive cardiac sur—gery),大動脈狭小弁輪に対する弁置換術,人工弁機能評価などが挙げられる.
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