Japanese
English
特集 呼吸筋不全
呼吸筋と姿勢制御筋—呼吸リハビリテーションとの関係
Ventilatory Muscles and Postural Muscles:Relation to pulmonary rehabilitation
山田 拓実
1
,
阿部 直
1
Takumi Yamada
1
,
Tadashi Abe
1
1北里大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kitasato University
pp.231-239
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902054
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はじめに
慢性呼吸器疾患患者のリハビリテーション,すなわち呼吸リハビリテーションとして呼吸筋トレーニング(Ventilatory muscle training:VMT)が行われてきた1,2).しかし,呼吸リハビリテーションとしてルーチンにVMTのみを単独に行うことを支持する科学的根拠は未だに明らかにされていない3).最近の包括的呼吸リハビリテーションのプログラムには,呼吸法指導やVMTのほか上肢や下肢の運動療法が含まれ,呼吸不全患者の運動能の改善効果が報告されている4,5).その理由として,①運動効率の向上により,同一の仕事に対して必要とするエネルギーが低下する6),②運動筋の構造的ならびに生化学的な変化によって一定の負荷に対する筋の耐容能が高まる7,8),③呼吸補助筋および換気作用を持つ姿勢制御筋(姿勢筋)の筋力増強および換気運動への関与を高め,換気能力が増強する9)こと,などが挙げられる.本稿では,呼吸筋と換気作用を持つ姿勢筋について呼吸リハビリテーションの立場から論ずる.
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