Japanese
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特集 心不全例の不整脈管理
心不全例の突然死予防への薬物療法
Medical Therapy to Prevention from Sudden Cardiac Death in Patient with Heart Failure
長田 和之
1
,
和泉 徹
1
Kazuyuki Osada
1
,
Tohru Izumi
1
1北里大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, Kitasato University School of Medicine
pp.141-147
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902040
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はじめに
慢性心不全患者の死因のおよそ35%から50%は突然死であるとされる1,2).その多くは不整脈に起因し,特に心室頻拍や心室細動などの心室性頻脈性不整脈によると考えられている3,4).慢性心不全患者の生命予後を改善するためには,そのような致死的不整脈の管理を中心とした突然死の予防策の確立が重要かつ必須である.ポンプ不全の進行を抑え予後を改善する点からは,ACE阻害薬,β遮断薬などの有用性は広く認められた.しかし,これらの薬剤は,大規模試験の結果を参考にすると,不整脈死の抑制に無効ではないが,突然死の予防という観点では不透明な結果に終始している.慢性心不全に対するPDE阻害薬やI群抗不整脈薬のように,薬剤選択によって突然死を増加させる恐れもある.個々の病態に見合った合理的な心不全管理が求められる所以である.
本稿では,突然死の特殊性や不整脈との関連性に注目しながら,①慢性心不全例での突然死,②致死的不整脈,③ハイリスク群,④薬物治療の4点につき概説する.
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