Japanese
English
特集 肺疾患と細胞内シグナル
肺細胞増殖
Growth of Pulmonary Cells
潘 立華
1
,
山内 広平
2
Li-Hua Pan
1
,
Kohei Yamauchi
2
1岩手医科大学第一病理
2岩手医科大学第三内科
1First Department of Pathology, Iwate Medical University School of Medicine
2Third Department of Internal Medicine, Iwate Medical University School of Medicine
pp.899-905
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901960
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はじめに
ガス交換という生命維持に極めて重要な機能は極く薄い肺胞壁に囲まれた無数の肺胞からなる構造に依存している.肺胞構造は他の組織にはない気層,液層,固層からなる精密な構造からなり,肺胞組織は換気という絶え間ない物理的ストレスと外気から吸入された無機および有機塵埃による傷害にさらされ,常に修復再生が行われている.肺組織には40種類以上の細胞が存在するといわれているが,この肺胞構造を支える細胞に肺胞上皮細胞と線維芽細胞がある.これらの細胞の増殖動態は肺の臓器形成や種々の間質性肺疾患の病態に重要である.
本稿では肺線維化病態に関連したII型肺胞上皮細胞と線維芽細胞の増殖調節に関して,関与する増殖因子およびその細胞内シグナルについて最近の知見を概説したい.
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