今月の主題 血管新生
各論
肝細胞増殖因子
中村 好男
1
,
槇野 博史
1
Yoshio NAKAMURA
1
,
Hirofumi MAKINO
1
1岡山大学医学部第3内科
キーワード:
クリングル構造
,
HGFアクチベーター
,
アンジオスタチン
Keyword:
クリングル構造
,
HGFアクチベーター
,
アンジオスタチン
pp.1622-1626
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904638
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Hepatocyte Growth Factor (HGF,肝細胞増殖因子)は不活性体として細胞外基質に存在し,組織傷害に際して傷害局所で活性化される.HGFは,血管新生に必要なすべてのステップ(内皮細胞の基底膜からの離脱,遊走,増殖,管腔形成)を担当し得る.これら多様な生物活性は多彩なシグナル伝達により可能となる.虚血病変ではHGFがdown-regulationされており,HGF補充による血管新生が病態を改善し得る.HGFの血管新生作用はVEGFを凌ぐ可能性があり,大阪大学で閉塞性動脈硬化症へのHGF遺伝子治療が計画されている.
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