Japanese
English
特集 肺結核臨床の現場から
肺抗酸菌感染症の検査診断—臨床医が知っておくべきこと
Clinical Laboratory for the Diagnosis of Mycobacterial Infections
一山 智
1
Satoshi Ichiyama
1
1京都大学大学院医学研究科医学部臨床生体統御医学/臨床病態検査学
1Department of Clinial Laboratory Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.689-694
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901928
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はじめに
米国CDCは1996年,抗酸菌検査室に対たて次の3項目を達成するよう目標を設定した.すなわち,1)塗抹検査結果を1日以内に報告すること,2)喀痰などの検体から抗酸菌の検出と同定を15日以内に行うこと,3)薬剤感受性結果を30日以内に報告することである1).
結核症と非結核性抗酸菌症を早期に鑑別することは,治療法の選択と予後の推測に極めて重要である.患者の基礎疾患,臨床症状,あるいはレントゲン所見といった臨床医の判断によって,ある程度は鑑別が可能であるが,最終的には起炎菌の細菌学的な同定による.迅速な起炎菌の決定のために,検体の塗抹,培養検査に加え,最近では遺伝子検査が応用される.米国CDCの目標を達成するような,抗酸菌検査の迅速で有用な活用について述べる.
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