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シリーズ-感染症 ガイドラインから見た診断と治療のポイント・7
抗酸菌感染症
Mycobacterial infections:Mycobacterium tuberculosis and nontuberculous mycobacterial diseases
石井 誠
1
,
長谷川 直樹
2
Makoto ISHII
1
,
Naoki HASEGAWA
2
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2慶應義塾大学医学部感染制御センター
キーワード:
結核
,
非結核性抗酸菌症
,
肺MAC症
Keyword:
結核
,
非結核性抗酸菌症
,
肺MAC症
pp.1390-1396
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103260
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はじめに
抗酸菌感染症は結核と非結核性抗酸菌症に大別される.わが国では,結核はその罹患率は年々減少傾向にあるものの1),医療安全・感染対策の点からも,その早期診断と適切な治療は重要である.2012年に約3年ぶりに日本結核病学会から「結核診療ガイドライン」の改訂版が発刊された2).
一方,非結核菌抗酸菌は詳細な疫学的データは存在しないものの,近年増加傾向にあり3),外来を受診する抗酸菌感染症の患者は,結核に比べて非結核性抗酸菌症の患者のほうが多くなってきているのが現状である.2007年に米国胸部疾患学会(American Thoracic Society;ATS)と米国感染症学会(Infectious Disease Society of America;IDSA)合同のガイドラインが改定され4),それを受けて,わが国でも日本結核病学会と日本呼吸器学会から合同で2008年に診断に関する指針5)と化学療法に関する見解(2008暫定)6)がおのおの発表され,さらに2012年には化学療法に関する見解が改訂された7).
本稿では,抗酸菌感染症における診断,治療に関して,これらの“ガイドライン”や“見解”を中心に概説していく.
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