今月の臨床 妊娠のリスク評価
既往歴・合併症と妊娠のリスク評価
下屋 浩一郎
1
,
朝野(天満) 久美子
1
,
金川 武司
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
pp.960-963
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
最近の少子化の流れや女性の高齢出産の増加などに伴って,合併症を有する妊婦の妊娠中の管理が重要となってきている.合併症を有する妊娠を管理するうえで常に注意する点は,合併症が妊娠に対してどのような影響を及ぼすかという点と妊娠が合併症に対してどのような影響を及ぼすかという点を明確にし,妊娠を管理していくことである.さらに,さまざまな妊娠中の管理法が進歩し,従来は妊娠継続が困難であったと考えられていた合併症についても妊娠継続が可能となってきており,合併症があるからといって安易に妊娠中絶を指示するような姿勢は厳に慎む必要がある.このことについては,合併症を管理する他科の医師・スタッフにも十分に理解してもらう必要がある.本稿では,既往歴・合併症と妊娠のリスク評価について概説する.なお,個々の疾患の詳細については各項を参照していただきたい.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.