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特集 血管新生と臨床医学
虚血性心疾患に対する血管新生療法
Therapeutic Angiogenesis for Ischemic Heart Disease
竹下 聡
1
Satoshi Takeshita
1
1帝京大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, Teikyo University School of Medicine
pp.449-453
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901891
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血管新生療法
虚血性心疾患に対する薬物療法は,それ単独では虚血の改善効果が不十分なことが少なくなく,しばしば経皮的冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈バイパス手術(CABG)などの血行再建術を必要とする.しかしながら,びまん性高度狭窄病変のように血行再建術の適応とはなり難い症例や,脳血管障害や腎機能障害などの合併症によって血行再建術が施行できない症例もあり,このような症例に対し,われわれ循環器医はまったく無力といっても過言ではない.
本稿のテーマである“血管新生療法(therapeu—tic angiogenesis)”は,血管増殖因子またはその遺伝子を用いることによって,側副血行路の発達を促進させ,虚血を改善させるという新しいコンセプトに基づいた治療法である1).新しく血管を生やすことなど,数年前まではまるで夢のような話であったわけだが,すでにこの治療法は欧米において臨床試験として行われるにまで至っている.
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