Japanese
English
特集 睡眠呼吸障害—生活習慣病の危険因子として
虚血性心疾患
Ischemic Heart Disease
陳 和夫
1
Kazuo Chin
1
1京都大学医学部附属病院理学療法部
1Department of Physical Therapeutics, Kyoto University Hospital of Medicine
pp.1175-1179
発行日 1998年12月15日
Published Date 1998/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404910094
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はじめに
厚生省の公衆衛生審議会は1996年末に,「生活習慣病」という一次予防指向の行政用語を造った.生活習慣病は「食習慣,運動,休養,喫煙,飲酒などの生活習慣が,その発症・進行に関与する疾患群」と定義されている.具体的疾患としては,インスリン非依存型糖尿病,肥満,高血圧症,高脂血症(家族性を除く),循環器疾患(先天性のものを除く),肺扁平上皮がん,慢性気管支炎,肺気腫,歯周病,アルコール性肝疾患などを挙げている1).睡眠は生活のなかで大きなウェートを占めているが,睡眠呼吸障害として,最も頻度が高いものとしてはいびきと閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)が挙げられる.図12)に示すように脳・心血管障害,心臓突然死の発症時間帯のピークは早朝より午前中にある.したがって,これら予後に重大な影響を与える諸疾患と睡眠呼吸障害との関連が考えうる。
本稿においては主に,虚血性心疾患とこの二つの病態の関連について述べる.
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