Japanese
English
特集 心房細動をめぐって
塞栓症の予防抗凝固療法・抗血小板薬療法の指針
Preveition of Embolism:Anticoagulation and antiplatelet thereapy
矢坂 正弘
1
,
山口 武典
1
Masahiro Yasaka
1
,
Takenori Yamaguchi
1
1国立循環器病センター内科脳血管部門
1Cerebrovascular division, department of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.243-250
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901860
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はじめに
心房細動を伴う脳梗塞は急性期の死亡率や再発率が高いことから機能予後は不良である1).また,心房細動を合併する脳梗塞は全脳梗塞の10〜20%を占め,合併しないものと比較して,脳梗塞の発症頻度が6倍高く,無症候性脳梗塞も伴いやすい2).従来,塞栓源として心房細動を伴うリウマチ性心疾患が最も重要視されてきたが,リウマチ性心疾患の有病率の低下と高齢者の増加を反映して,近年,欧米に追従する形で,本邦でも脳塞栓症における基礎心疾患の主座が非弁膜性心房細動(nonvalvular atrial fibrillation,NVAF)へ移行している3).したがって,心房細動,とりわけNVAFからの脳塞栓症予防は重要な問題である.ここでは,心原性脳塞栓症の特徴,心内血栓の動態およびワーファリンのモニタリング法に触れた後,NVAFからの脳塞栓症予防について述べる.
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