Japanese
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Bedside Teaching
解離性大動脈瘤に対するステントグラフト治療
Endovascular Grafting for Dissecting Aneurysm
石丸 新
1
Shin Ishimaru
1
1東京医科大学第2外科
1Second Department of Surgery, Tokyo Medical College
pp.73-76
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901832
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はじめに
大動脈瘤は放置すると破裂に至る危険のあることから,従来より外科手術の適応とされてきた.しかし,特に胸部大動脈瘤の手術については,その補助手段である体外循環操作を含めて侵襲性が大きく,その適応を躊躇する場合も少なくない.最近になり,金属ステントを人工血管材料(グラフト)で被覆したステントグラフト(SGと略す)による血管内手術(endovascular surgery)の研究開発が急速に進み,動脈瘤に対する低侵襲治療として世界的に注目されている.しかし現在のところ,SG内挿術の適応疾患は主として腹部大動脈瘤であり,胸部大動脈瘤の報告は少なく,特に解離性動脈瘤の治療については,その開発が端緒にっいたばかりである.
当教室はこれまで,大学倫理委員会の承認を得たうえで,自作したSGを用いて胸部あるいは腹部大動脈瘤へのSG内挿術を経験してきた1).本稿では,特に解離性大動脈瘤の治療を中心として,若干の自験例の検討と文献的考察から,現時点での適応,手技および成績について述べるとともに,その将来展望に触れたい.
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