Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸不全管理におけるSpO2の意義
Significance of SpO2 on Management of Respiratory Failure
一和多 俊男
1
,
長尾 光修
1
Toshio Ichiwata
1
,
Koshu Nagao
1
1獨協医科大学越谷病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Koshigaya Hospital, Dokkyo University School of Medicine
pp.67-71
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901831
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はじめに
呼吸不全とは,呼吸機能障害のため大気下の動脈血酸素分圧(PaO2)が60 Torr以下となり,そのために正常な機能が営むことができない状態と定義されている.PaO2は,肺気胞から肺毛細血管への酸素の移行と,各組織における毛細血管から組織中への酸素の拡散を規定する酸素分圧較差に影響する.動脈血の酸素化の指標として,PaO2と同様に動脈血酸素飽和度(SaO2)も重要な因子と考えられている.SaO2は,組織への酸素の運搬能の指標である動脈血酸素含量(CaO2)を規定する重要な因子である.パルスオキシメーターから得られる情報は酸素飽和度(SpO2)のみであるが非侵襲的で簡便であり,精度と再現性が高いため広く臨床で使用されている.
本稿では,パルスオキシメーターの測定原理,測定精度に影響する諸因子と呼吸不全管理における問題点と臨床応用とその意義を述べ,最後に当科で施行した運動負荷試験におけるSpO2と,SaO2とPaO2の関係について解説する.
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