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特集 冠動脈血行再建術に関するcontroversy
DCAはステントにとって代わられたか
Was DCA Replaced by Stent?
相澤 忠範
1
Tadanori Aizawa
1
1心臓血管研究所内科
1The Cardiovascular Institute
pp.983-987
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901774
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はじめに
方向性冠動脈アテレクトミー(directional cor—onary atherectomy;DCA)は,冠動脈内の閉塞性組織を方向性をもって切除できる特徴を有する.そのため,血管内腔を大きく確保し再狭窄を減少させる効果が期待されたが,DCAとバルーン形成術(PTCA)を比較した最初の多施設試験であるCoronary Angioplasty Versus ExcisionalAtherectomy Trial(CAVEAT)1,2)の成績は,否定的なものであった.
一方,PTCAとPalmaz-Schatzステントの初回病変に対する比較試験(BENESTENT3),STRESS4))では,いずれもPalmaz-Schatzステントの再狭窄率がバルーンより有意に低く,ステントが再狭窄率を減少させるデバイスであることが臨床的に示された.その後のステントの普及はめざましいものがあり,冠動脈インターベンションにおけるステントの割合は30〜40%に達し,積極的な施設では50%を超えている.一方,DCAに対する熱気は急速に冷え込み,DCAは限られた施設でのみ行われているのが現状である.DCAとステントの適合病変には競合的なものが多いため,DCAはステントにとって代わられた感がある.しかし,ステントの適応が拡大されたため,ステント留置後の再狭窄症例が増加し,その対応が新たな問題となってきている.本稿ではステント時代のDCAの役割について述べる.
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