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ロータブレータ(Rotablator)とは
ロータブレータ(High-speed rotational ather—ectomyまたはPercutaneous Transluminal Cor—onary Rotational Ablation;PTCRA)は,バルーンにより狭窄性病変を圧排し拡張する従来のPTCAの概念とは全く異なり,カテーテルの先端に付けた小さな金属球(burr)を高速で回転させながら冠動脈の狭窄部を通過させ,病変組織を粉砕し除去する方法である.米国のD.Authの考案によるもので,1993年には米国FDAの承認を受け,既に欧米では広く臨床応用されている.本邦では1992年3月に12施設で臨床試験が開始され,1994年3月にはその初期成績が報告されている.1997年5月に厚生省の認可が下り,1998年3月に保険治療が認められるに至り,現在ではガイドラインの施設基準を満たした多くの病院で臨床使用が可能になっている.
高速回転で病変組織を削るburrの形状は回転楕円体をしており,その前半面には無数の工業用ダイアモンドの微粒が付着させてある.これを圧搾空気の力でドライブシャフトとともに毎分18〜20万回という超高速で回転させ,ガイドワイヤーに沿って冠動脈の中の病変を削りながら往復させる.硬いダイアモンド粒により削られた組織片は末梢冠動脈に流されていくが,理論的には赤血球より小さい直径5μ以下の微細な粒子に粉砕されるので,末梢に塞栓を起こすことなく通過し,最終的には細網内皮系で処理されるといわれている.Burrの外径は最小1.25mmからほぼ0.25mm毎に最大2.5mmのものまで用意されており,冠血管径に応じて小刻みにサイズを上げて段階的に切削する.最終的には大多数の例で仕上げにバルーンによる低圧の拡張が追加される.
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