Japanese
English
特集 蘇生をめぐる新しい展開と問題点
DNRの適応と手順
Indications and Guidelines for the Appropriate Use of Do-Not-Resuscitate Orders
髙橋 愛樹
1
Yoshiki Takahashi
1
1昭和大学藤が丘病院救急医学科
1Department ofEmergency & Critical Care Medicine, Fujigaoka Hospital, Showa University School of Medicine
pp.341-346
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901670
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人がこの世に生をうけ,その後唯一決まっている運命はそれに長短はあるものの必ず死ぬということである.ところが最近,患者には,自己の生命・身体について自己決定権があり,患者が自らの判断で死に方を選択できるように医師は必要な事柄を十分に説明し理解させ,その上で患者の自由意思による患者の承諾を得ることが必要となってきている1).
従来,わが国においての死は,心停止,呼吸停止,瞳孔散大といった死の三徴候をもって診断された.これは理論ではなくその後に生じる死斑,死後硬直,低体温などの身体的変化を認めることにより慣習的に受け入れられてきた.しかし,1996年10月16日から「臓器の移植に関する法律」が施行され,脳死と従来の心臓死と二つの死が存在するようになり,死のかたちもその定義も変化し医療現場も複雑になってきている.
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