増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
4. 生化学検査
17)薬物検査―ジゴキシン,テオフィリン
柴田 綾子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1305-1309
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100298
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はじめに
薬物血中濃度の測定は主にTDM(therapeutic drug monitoring,治療薬物濃度モニタリング)として,重篤な中毒のある薬物,治療域と中毒域との間隔が狭い薬物,個人の体内動態に個人差のある薬物,血中の薬物濃度と薬効との間に相関が認められる薬物には必要不可欠な検査である1,2).
TDMが必要とされている薬物にはテオフィリンなどの気管支拡張薬,フェノバルビタール,カルバマゼピン,バルプロ酸などの抗てんかん薬,ジゴキシンなどの強心剤,リドカインなどの抗不整脈薬,ゲンタマイシン,アミカシンなどの抗生物質,シクロスポリン,タクロリムスなどの免疫抑制剤,メトトレキサートなどの抗癌剤,アセトアミノフェンなどの解熱・鎮痛薬などがある.
ここでは迅速検査として測定されることの多いジゴキシンとテオフィリンとについて紹介する.
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