Japanese
English
特集 肺における水の動態
肺の水分動態における肺胞・気道系圧の役割
Role of Alveolar and Airway Pressures on Regulation of the Lung Water
石部 裕一
1
Yuichi Ishibe
1
1鳥取大学医学部麻酔・蘇生学
1Department of Anesthesiology and Reanimatology, Faculty of Medicine, Tottori University
pp.699-705
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901284
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はじめに
ARDSに代表される急性呼吸不全の治療には,今日もなお人工呼吸器による機械換気が第一選択として用いられている.しかし,機械換気による間欠的陽圧換気法は肺胞を陽圧により拡張させるという極めて非生理的条件を肺に負荷するがために,肺の生理的機能異常が起こり,機械換気によって得られる利点を凌駕するような合併症を発現する場合がある.肺水腫の発現はその代表的な例で,人工呼吸療法を施行する場合に大きなジレンマとなる.
さて肺の毛細管壁を介する水分移動(Jv)は,下式で示すようにStarlingにより提唱された肺毛細血管圧(Pc),間質圧(Pi),血漿浸透圧(πc),間質液の浸透圧(πi),浸透圧反発係数(σ),肺毛細血管透過係数(Kfc)によって規定されている.
Jv=Kfc[(Pc-Pi)−σ(πc−πi)]
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