Japanese
English
綜説
肺血流分布は重力に依存するか
Is Pulmonary Blood Flow Distribution Dependent on Gravity?
桑平 一郎
1
Kuwahira Ichiro
1
1東海大学医学部第2内科
1Department of Medicine, Tokai University School of Medicine
pp.123-130
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901000
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はじめに
肺血流分布が重力に依存することは,1960年代から1970年代にかけてのWestらによる一連の業績によって,呼吸生理学の世界では常識となった.しかし,必ずしも重力のみでは説明のつかない肺血流分布パターンも報告され,1980年代の半ばより肺血流分布を決定する最大要因が重力であるとする考え方に疑問が投げかけられるようになった.その後,肺血流分布は如何なるパターンをとるか,重力以外の何が肺血流分布を決定する第一義的要因であるかを明らかにするため,マイクロスフェア法や99mTc-MAAを応用し,ヒト,ウマ,ヒツジ,イヌ,ラットなどの肺を対象にさまざまな検討が加えられてきた.
本稿では,肺の血流分布は重力に依存するかというテーマのもとに,肺血流分布に関するこれまでの研究を整理し,最近得られた新たな知見の位置づけ,今後の研究の方向性について考えてみたい.
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