Japanese
English
特集 外科治療か内科治療か—境界領域をめぐって
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群—内科側から
Treatment of Sleep Apnea Syndrome
高橋 祐二
1
,
清水 徹男
1
,
菱川 泰夫
1
Yuji Takahashi
1
,
Tetsuo Shimizu
1
,
Yasuo Hishikawa
1
1秋田大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Akita University School of Medicine
pp.841-844
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900729
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はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)は,睡眠中に10〜100秒間も続く無呼吸が頻回に起こることを基本鯵特徴とし・無呼吸に伴って生じる低酸素血症,局炭酸ガス血症,呼吸性アシドーシス,覚醒反応などのために,呼吸器・循環器系の合併症,睡眠障害,精神症状などの多様な症状を引き起こす.
SASの治療には,無呼吸の主な原因である上気道の狭窄の軽減と除去が重要であり,その方法は内科的治療法と耳鼻咽喉科・口腔外科的手術による外科的治療法に大別される.最近,SASは睡眠中のいびきや日中の眠気の原因となるばかりではなく,高血圧,心不全,時には致死性となる不整脈,脳卒中の原因にもなることが注目されるようになり,SASを疑われて,医療機関を訪れる患者数は増加している.また,適切な治療法を用いて,症状と生命予後の改善を計ることができるようになってきた.したがって,治療法の利点と欠点を十分に把握し,個々の患者の病因と症状に応じて適切な方法を選んで用いる必要がある.本稿では,まずSASについて概説し,その後に,内科的治療法およびその利点と欠点について述べる.
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