Japanese
English
綜説
循環器系に関係したレセプターの概念
Recent Advances in Research on Cardiovascular Drug Receptors
遠藤 政夫
1
Masao Endoh
1
1山形大学医学部薬理
1Department of Pharmacology, Yamagata University School of Medicine
pp.115-124
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900612
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
循環器系の調節に関与している心筋および血管平滑筋細胞は,生体内の細胞のなかでレセプターを介して最もダイナミックに調節を受けている.絶え間なく急速に,しかも広い範囲で変化する周囲の環境に,循環器系を破綻せずに順応させるために,幾重にもわたる調節系のネットワークが精緻に準備されている.Arnold M.Katzは,この状態を,著書Physiology of the Heart(2nd Edition)のなかで“Murphy's law”(If anything can go wrong,it will,and at the worst possible time)に対して,循環器系の調節を“Law of the heart”(If something is worthdoing,it will be done in a number of different ways)と記述している.
この多岐にわたる循環器系の制御は,細胞外情報伝達物質および細胞膜外側表面に存在するレセプターを介して行われる.循環器系の調節に関与するレセプターは,シグナル共役タンパクであるGTP結合タンパク(Gタンパク)を活性化することによって細胞外シグナルを細胞内に伝達するので,これらのレセプターはGタンパク共役型レセプターと呼ばれる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.