Japanese
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Bedside Teaching
気管支喘息の急速減感作療法
Rush Immunotherapy in Bronchial Asthma
永田 真
1
Makoto Nagata
1
1埼玉医科大学第2内科
1Second Department of Internal Medicine, Saitama Medical School
pp.775-781
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900521
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はじめに
特異的減感作療法は,原因抗原が明確な気管支喘息やアレルギー性鼻炎に対する根本的かつ抗原特異的な治療手段として従来から広く行われてきた.しかしながら,従来からの外来で施行される通常の減感作療法においては,患者は維持量に到達するまでの数カ月の期間は毎週通院することが要求され,また臨床的に不安定な重症喘息患者ではしばしば円滑に遂行し難いことが経験され,さらに十分な臨床効果が得られるまでに多くの場合1年以上を要することなど,治療スケジュール上のいくつかの問題点が列挙される.これらの問題点を払拭し得る手法のひとつとして,入院管理下で抗原注射を頻回に行い,数日間で維持量に到達せしめる急速減感作療法(rush immunotherapy,以下RIと略す)が試みられ,その臨床的有用性が確認されるに至っている1-6).
本稿では,筆者らが成人気管支喘息症例を対象として施行しているRIの実際について解説し,またその成績と抗喘息作用のメカニズムについての筆者らの知見について要点を述べることとしたい.
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