Japanese
English
装置と方法
静脈内留置型人工肺の臨床治験
Preliminary Clinical Experience in Use of Intravascular Blood Gas Exchanger (IVBGE)
今井 寛
1
,
吉村 博邦
1
,
石原 昭
1
Hiroshi Imai
1
,
Hirokunni Yoshimura
1
,
Akira Ishihara
1
,
Shigemasa Osaki
2
,
Mortensen JD
2
1北里大学医学部胸外科
2CardioPulmonics, Inc
1Department of Thoracic School of Medicine, Kitasato University
pp.461-465
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900472
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はじめに
呼吸不全に対し人工呼吸器による呼吸管理が広く行われているが,重症の症例には限界があり,長期間使用可能な膜型人工肺が実用化しはじめた1970年代より呼吸管理に人工肺を使用する試みが始まった.これが体外循環により呼吸,循環を補助するextracor-poreal membrane oxygenation(ECMO)あるいはextracorporeal life support(ECLS)である1).
人工肺膜テクノロジーの急速な進歩により,小さな膜表面積でも生体に必要なガス交換を可能にしつつある.このような背景から中空糸を束ねた人工肺を大静脈内に挿入し,外部から酸素を還流してガス交換を行う静脈内留置型人工肺が登場してきた.これがアメリカ・ソルトレイクシティーのDr Mortensenによって1980年代の初めから研究されたintravascular blood gas exchanger2,3)であり,IVOXと名づけられた.静脈内血液ガス交換法を実用化まで完成できたのは,IVOXだけで,世界的にはこの名前の方がIVBGEよりは一般化しているが,IVOXは商品名に由来するので,本稿ではIVBGEとする.数多くの動物実験により,その安全性,効果が認められ,1990年よりアメリカFDA認可のもと臨床治験が始まった.1991年12月現在症例数も83例となり,安全性の報告や効果に対する報告も数多くみられるようになった4-8).
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