特集 私のコツ教えます(前編)
静脈留置針の固定方法
塚本 真規
1
1九州大学大学院歯学研究院 口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野
pp.363
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200181
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
固定をおろそかにしてはいけない
手術における麻酔管理では静脈麻酔薬や輸液投与のために静脈路確保がすべての症例で必要となる。静脈路確保時に使用する留置針は,抜針するまで抜けない固定が必要になる。固定が緩いと点滴漏れによる発赤,腫脹が発生することもある。また,点滴漏れに気づかず麻酔薬を長時間投与してしまうと,腫脹,水疱から皮膚の壊死などの皮膚障害につながることも考えられる。実際に手術室で静脈路確保された乳幼児では,約30%に点滴トラブルが発生した1)という報告がある。留置針によるトラブルとしては,点滴漏れや皮膚トラブルに加えて,留置針を固定しているフィルムドレッシング材の粘着力不足により針が動き,血管壁への刺激が増加することによる機械的静脈炎などが考えられている。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.