Japanese
English
特集 冠動脈硬化に合併する重要臓器の動脈硬化病変
大動脈瘤
Aortic Aneurysm
雨宮 邦子
1
,
上田 みどり
1
,
細田 瑳一
1
Kuniko Amemiya
1
,
Midori Ueda
1
,
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.657-660
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900307
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
食生活の欧米化に伴い,近年わが国においても動脈硬化性疾患が急増の一途をたどっている.循環器疾患を専門としている当施設の入院患者,手術患者の疾患別分布もかなり変化しており,10数年前まではリウマチ熱による弁膜症患者が多くみられたが,冠動脈疾患の増加と共に,ここ数年来,血管疾患患者が増加している.本疾患は全身の動脈硬化症の一顕性化であり,一か所の血管のみを侵すことは稀で,多臓器の血管障害を起こすのが常である.そのため背景の合併病態は多岐にわたると考えられる.また加齢というfac-torに加味した病態であり,その治療に際しては表面的な検査だけでは,単に計り知れないものがあることも念頭におく必要がある.閉塞性動脈硬化症,あるいは腹部大動脈瘤等では冠動脈疾患の合併頻度が高いことから,外科的治療にいかに対処するか問題となる症例にも多々遭遇する.本稿では大動脈瘤に合併した冠動脈硬化という観点を中心に当施設の成績をもとに検討を加えた.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.