Japanese
English
Bedside Teaching
肝硬変の低酸素血症
Hypoxemia in Liver Cirrhosis
鈴木 潤一
1
,
古谷 由紀子
1
,
川上 義和
1
Junichi Suzuki
1
,
Yukiko Furuya
1
,
Yoshikazu Kawakami
1
1北海道大学医学部第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Hokkaido University School of Medicine
pp.333-337
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900254
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慢性肝疾患,特に肝硬変患者に低酸素血症が合併することが知られている.1935年,Snellはその機序としてヘモグロビンの酸素親和性の低下を推測した.その後Caldwellら1)は,酸素解離曲線の右方偏位を認めたがその程度は軽度であること,さらにAstrupら2)は肝硬変患者では赤血球内の2,3DPGが増加していることを報告しているが,それだけで酸素親和性の減少をきたすには小さすぎるとし,酸素解離曲線からは肝硬変患者での低酸素血症を説明できないとしている.その後,シャント説,換気血流比不均衡説等いくつかの説が肝硬変患者で検討されている.本稿では,当科で経験した症例を中心に,肝硬変に合併した低酸素血症の機序について解説したい.
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