Japanese
English
特集 喫煙と肺
タバコの成分と作用
Constituents of tobacco smoke and their biological effects
香川 順
1
,
中館 俊夫
1
,
石原 陽子
1
Jun Kagawa
1
,
Toshio Nakadate
1
,
Yoko Ishihara
1
1東京女子医科大学衛生学公衆衛生学教室
1Department of Hygiene and Public Health, Tokyo Women's Medical College
pp.11-16
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900076
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喫煙と関連した疾患としては,肺癌,気管支炎と肺気腫,虚血性心疾患が代表的である。喫煙と肺癌の疫学的因果関係がほぼ確立されている1,2)ことはよく知られているが,慢性閉塞性肺疾患との関係でも,肺癌と同等もしくはそれ以上の相対危険度を示し3),その80〜90%以上は喫煙によるという報告4)がある。またその他の健康異常として,特に頭部と四肢の動脈の粥状硬化による血行障害,胃・十二指腸潰瘍,口腔癌,喉頭癌,食道癌,膀胱癌などとの疫学的関係が指摘されている1,2,5)。
そこでこれらの疾患の発生機序を理解するために,タバコの成分と作用について以下に述べる。
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