Japanese
English
Bedside Teaching
慢性完全閉塞病変に対するインターベンションの意義
Catheter Intervention for Total Coronary Artery Occlusion
朝倉 靖
1
Yasushi Asakura
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.781-788
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900047
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
近年,冠動脈形成術(PTCA)の初期成績は向上し,以前はバイパス手術(CABG)を要した症例に対しても積極的にPTCAが施行されるようになっている.また欧米の大規模研究1〜5)よりPTCAの良好な遠隔期成績が報告されるにつれ,ますますその機運が高まっているのが現状である.バルーンに代わる新しい器具(new device)が次々に開発され,従来はPTCA不適とされた病変の治療が可能になる一方で,new deviceをもってしても今もPTCAの初期成績を最も左右するのが慢性完全閉塞(chronic total occlusion:CTO)病変である.CTOは初期成功率が低いばかりか,再狭窄率が高率であることが知られている.またCTOはPTCAにとって必ずしも安全な病変ではない.このような状況下では,それでもCTOをPTCAで治療するのかと疑問を投げかける意見がでても当然である.逆に積極的にCTOに挑戦する内科医がいるのも事実である.
本稿ではPTCAによるCTO病変治療の現況から,自験例を交えながらCTOへのPTCAの意義につき概説する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.