Japanese
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Bedside Teaching
呼吸器疾患に対するテオフィリンの効果
Effects of Theophylline in Pulmonary Disease
長坂 行雄
1
Yukio Nagasaka
1
1近畿大学医学部第4内科
1Department of Internal Medicine IV, Kinki University School of Medicine
pp.839-845
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900010
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はじめに
テオフィリンは強力な気管支拡張薬で,気管支喘息(以下喘息)の主要な治療薬の一つである.とくに作用時間が長い徐放剤は最近の気管支喘息の長期的な治療のなかでも,夜間,早朝の発作に薦められている1〜3).わが国では諸外国と異なり,テオフィリンは急性発作に対してもβ2刺激薬の吸入とともによく用いられる.血中濃度からみればテオフィリンの治療域は比較的狭い.しかし,最近は血中濃度のモニターも簡便になり,使用上の注意を守れば,有効かつ安全な薬剤である.
テオフィリンには気管支拡張作用以外に強心利尿作用,呼吸中枢の刺激作用,呼吸筋力の増強作用がある.最近では抗アレルギー(抗炎症)作用も注目されている.本稿では最初にテオフィリンの体内での動態,薬剤間相互作用を説明し,テオフィリンの薬効に注目しながら各疾患毎の使用法を解説する.
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