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特集 家族性高コレステロール血症(FH)診療のパラダイムシフト—PCSK9のインパクト
PCSK9阻害薬の種類とその治療効果
Therapeutic Effect and Safety of PCSK9 Inhibitors
荒井 秀典
1
Hidenori Arai
1
1国立長寿医療研究センター
1National Center for Geriatrics and Gerontology
pp.1063-1066
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206060
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はじめに
Seidahらにより2003年クローニングされたPCSK9が,家族性高コレステロール血症(FH)におけるLDL受容体,アポリポ蛋白Bに続く,第3番目の原因遺伝子として脚光を浴びてから,約13年でPCSK9に対する抗体薬が臨床で使用可能となった.2007年にエゼチミブが発売となって以降9年目での新しい脂質異常症治療薬の上市である.高LDLコレステロール血症治療においては,スタチンが第一選択薬であるが,PCSK9阻害薬はこれまでの薬剤とはまったく異なる作用機序を有し,そのLDLコレステロール低下効果も極めて大きい.しかしながら,その顕著な効果にもかかわらず,注射薬であることや高薬価であることから,その治療対象は慎重に選ばざるを得ない.本稿では,2016年4月に発売となったエボロクマブのみならず,7月に承認されたアリロクマブなどPCSK9阻害薬について概説する.
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