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特集 家族性高コレステロール血症(FH)診療のパラダイムシフト—PCSK9のインパクト
PCSK9蛋白の発見とその生理的意義
Discovery and Physiological Roles of PCSK9
野原 淳
1,2
Atsushi Nohara
1,2
1金沢大学医薬保健研究域医学系医学教育研究センター
2金沢FH遺伝子ラボ/北陸FHスタディグループ
1Medical Education Research Center, Kanazawa University Graduate School of Medical Sciences
2Kanazawa FH Gene Laboratory/Hokuriku FH Study Group
pp.1051-1056
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206058
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はじめに
家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)は,一般人200〜300人に1人と最も多い常染色体優性遺伝疾患の一つであり,出生時から高度のLDL-C上昇が持続するため,早発性冠動脈硬化症のリスクが極めて高い疾患である.特徴的身体所見である腱黄色腫が認められることで診断され,成人FHの6〜7割にはこの腱黄色腫が認められるが,本邦では1%未満しかFHが診断されていないと報告されている1).
2003年にFHの3番目の原因遺伝子としてproprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)が同定され,この発見がFHの診療を大きく前進させることとなった.本稿ではPCSK9発見と生理的意義について概説したい.
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