Japanese
English
今月の特集1 脂質異常症の遺伝背景
PCSK9異常
Gain-of-function and loss-of-function variants in the PCSK9 gene
堀 美香
1
1名古屋大学環境医学研究所内分泌代謝分野
キーワード:
機能獲得型バリアント
,
機能低下型バリアント
,
低比重リポタンパク-コレステロール
,
LDL-コレステロール
,
LDL-C
,
ダブルヘテロ接合体
,
冠動脈疾患
Keyword:
機能獲得型バリアント
,
機能低下型バリアント
,
低比重リポタンパク-コレステロール
,
LDL-コレステロール
,
LDL-C
,
ダブルヘテロ接合体
,
冠動脈疾患
pp.848-854
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690080848
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Point
●プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)遺伝子のバリアントには低比重リポタンパク(LDL)-コレステロール(LDL-C)の上昇に関わる機能獲得型と低下に関わる機能低下型の2種が存在する.
●わが国の家族性高コレステロール血症(FH)ヘテロ接合体においてPCSK9遺伝子の機能獲得型p.(Glu32Lys)バリアントが3.5〜6%程度の頻度で認められる.
●LDL受容体(LDLR)遺伝子病原性バリアントにPCSK9遺伝子p.(Glu32Lys)/p.(Val4Ile)バリアントの重なるダブルヘテロ接合体は,冠動脈疾患リスクが高く,予後不良である.
●遺伝子解析によりPCSK9遺伝子の機能獲得型バリアントやダブルヘテロ接合体を早期に診断し,早期からの適確な治療を行うことが予後改善に重要である.

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