Japanese
English
特集 COPD合併肺癌:病因論から治療まで
定位放射線治療
Stereotactic Body Radiotherapy
井上 哲也
1
Tetsuya Inoue
1
1北海道大学大学院医学研究科放射線医学分野
1Department of Radiation Oncology, Hokkaido University Graduate School of Medicine
pp.767-770
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404206009
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はじめに
原発性肺癌は本邦全悪性腫瘍の死因の第1位を占め,年間の罹患数も増加傾向にあり,罹患数と死亡数の差が少ない難治性の疾患である.近年社会の高齢化が特に顕著になってきており,75歳以上の無症候性の早期原発性肺癌の症例が増えてきている.早期の非小細胞肺癌の場合は手術が標準治療であるが,75歳以上の場合は手術不能のケースが多く,また手術可能な場合でも合併症などで手術が高リスクのケースが多いことや,高齢で手術を受ける体力に自信がないなどの様々な理由で手術を拒否するケースもしばしば見受けられる.しかしながら原発性肺癌に対する定位放射線治療が施行可能となってからは,このような症例においても手術に匹敵した根治性の高い治療を提供できるようになった.NCCNガイドライン2016年度版では原発性肺癌に対する定位放射線治療については,手術不能,手術拒否,高齢などでの手術高リスク群に対する標準治療と位置づけられている1).
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