Japanese
English
特集 症状別・疾患別にみた注意を要する心電図所見
胸痛:急性肺塞栓症を見逃さないために
Chest Pain:for Diagnosis of Acute Pulmonary Embolism
長谷川 浩一
1
Koichi Hasegawa
1
1はせ川内科循環器科医院
1Hasegawa Outpatients Clinic for Cardiovasuclar Medicine
pp.229-234
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205916
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はじめに
近年,エコノミークラス症候群による急死例のマスコミ報道や新規経口抗凝固薬(NOAC)が,深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の治療および再発抑制にも適応拡大されたこともあり,急速に本症が身近な疾患として認識されてきている.しかし,早期診断・治療がその予後を左右する急性肺塞栓症の診断は必ずしも容易ではない.また診断機器の発達・普及のため心電図の重要性がともすれば軽視されがちであった.また本症の心電図所見は多彩で,非特異的ST-T異常とされ,その診断における価値は乏しいとする意見もあるが1),筆者は本稿で心電図こそが本症の早期診断のみならず重症度把握のうえでも,最も簡便かつ有用な手法であることを詳説したい.
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