Japanese
English
Bedside Teaching
肺がんの緩和医療—呼吸器症状への対策
Palliative Medicine in Lung Cancer:Management of Respiratory Problems
鈴木 梢
1
,
田中 桂子
1
Kozue Suzuki
1
,
Keiko Tanaka
1
1がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科
1Department of Palliative Care, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center Komagome Hospital
pp.1101-1109
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205846
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はじめに
わが国において肺がんは罹患数,死亡数共に全がんのなかで上位を占めており,いまだ治癒しにくいがんの一つとされている.また,肺がんは生命に直結する呼吸器の疾患であること,進行がんでは骨や脳などへ遠隔転移を来すことから,様々な身体的,心理的,社会的な苦痛を引き起こす.多くの患者が疼痛や呼吸困難,食欲不振など複数の症状を有しており,他のがんと比較して精神的なストレスを抱える割合が高いとも報告されている1,2).近年,非小細胞肺がん患者へ早期に緩和医療が介入することで,患者の生活の質(QOL)や気分障害が改善しただけでなく生存期間の有意な延長も認めたと報告され,早期からの緩和医療の役割が注目されている3).本稿では疼痛とならび,肺がん患者において苦痛を引き起こす頻度の高い呼吸器症状への対策について概説を行う.
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