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特集 アレルギー疾患モデルからの最新知見
慢性アレルギー性疾患におけるペリオスチンの役割
Role of Periostin in Chronic Allergic Diseases
小川 雅弘
1
,
出原 賢治
1
Masahiro Ogawa
1
,
Kenji Izuhara
1
1佐賀大学医学部分子生命科学講座分子医化学分野
1Division of Medical Biochemistry, Department of Biomolecular Sciences, Saga Medical School
pp.939-943
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205800
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はじめに
肺,および皮膚は腸管などと共に生体と外界を隔てる組織であり,アレルゲン・細菌・ウイルスといった異物の侵入を防ぐバリア機能を持つことで生体内の恒常性を維持している.これらの組織の上皮細胞が損傷し,アレルゲンが生体内に侵入すると2型免疫応答が引き起こされアレルギー性炎症反応が誘導される.われわれは2型免疫応答時に産生されるサイトカインであるIL-4,IL-13の作用を明らかにする過程において,上皮細胞においてIL-4,IL-13により発現量が増強される遺伝子の一つとしてペリオスチンを同定した1).その後,われわれならびに国内外の他の研究室がペリオスチンと様々なアレルギー性疾患(気管支喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎),および非アレルギー性の炎症性疾患(特発性肺線維症,強皮症,乾癬)との関連性を報告している(表1)2).本稿においては,慢性アレルギー性疾患におけるペリオスチンの機能・役割について,マウスの疾患モデルより得られた知見を中心に紹介したい.
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