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特集 睡眠時無呼吸症候群(SAS)—臨床に役立つ最新知識Up to Date
睡眠時無呼吸症候群に対する減量療法
Effect of Weight Loss on Obstructive Sleep Apnea
竹上 未紗
1
Misa Takegami
1
1国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部
1Department of Preventive Medicine and Epidemiologic Informatics, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.739-744
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205759
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はじめに
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea;OSA)は,有病割合が高く,特に中高年においては一般的な症候群であり,循環器疾患や代謝異常のリスクを増大させる.これらの疾患の共通の素因には,加齢,性別(男性)などがあるが,最も重要なものに過剰な体重増加がある.OSAの治療のゴールは,睡眠中の気道の閉塞を緩和することであり,治療の第一選択肢は経鼻持続気道陽圧(nasal continuous positive airway pressure;CPAP)である.CPAPは効果的な治療法であるが,根治的な治療ではないため,不快感や皮膚の炎症による不適応,アドヒアランスの問題,治療の中断などの大きな課題が残っている.そのような状況において,CPAP治療のアドヒアランスに加え,体重減少を伴う生活習慣改善に関する患者教育は臨床上重要とされており,American College of Physiciansのガイドラインでは,OSAと診断された肥満の患者において,体重を減少させる努力をすることが強く推奨されている1).本稿では,OSAと肥満に関するこれまでの知見と肥満に対する食事療法や運動療法を用いた生活習慣への介入の効果に関するエビデンスについて概説する.
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