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特集 睡眠時無呼吸症候群(SAS)—臨床に役立つ最新知識Up to Date
睡眠時無呼吸症候群のためのスクリーニング検査の位置づけ
Role of the Screening Test for Sleep Apnea Syndrome
山城 義広
1
Yoshihiro Yamashiro
1
1嬉野が丘サマリヤ人病院
1Ureshino Ga Oka Samaria People Hospital
pp.713-719
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205755
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スクリーニングの定義は「迅速に実施可能な検査,手技を用いて,無自覚の疾病または障害を暫定的に識別すること」とされている.ある疾病に対するハイリスク群の検出である一次予防ではなく,疾病の早期発見,早期治療である二次予防として,ある集団を対象に,すばやく実施可能な方法で,無自覚の障害を暫定的に識別することがスクリーニングである.したがって定義上スクリーニングを受ける対象集団は症状のない人である.睡眠時無呼吸症候群には閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)があるが,臨床的に主として対象となるのはOSASであるため,本稿ではOSASを中心に解説する.
OSASのスクリーニングは対象群と目的により異なる.一般人口でのOSASのハイリスク率などの疫学的調査,企業などの検診,職業ドライバーに対するOSASの早期発見と治療などが二次予防として,スクリーニング対象となるものである.本稿で用いられている,臨床で使用されるスクリーニングの意味としては診断の確率を上げるための迅速検査であると思われる.この群には有症状者も含まれる.他疾患にて加療中であるが,患者のOSAS併存の確率を上げる検査として,さらに睡眠専門クリニックを訪れる患者群では適切な診断と治療法の選択を行う確率を高めることである.このような一般診療でのスクリーニングを主として解説する.ここでのエビデンスは主として米国,アメリカ睡眠医学会(AASM)のガイドラインなどを参考にしており,本邦の現状には合致しない場合もある.欧米と本邦の現状については後述する.
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