Japanese
English
綜説
左冠動脈主幹部病変の外科治療
Areview on surgical treatment of left coronary artery main trunk lesion
稗方 富蔵
1
Tomizo Hiekata
1
1聖マリアンナ医科大学第三外科
1The 3 rd Department of Surgery, St. Marianna University, School of Medicine
pp.827-835
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205101
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左冠動脈主幹部(LMT:left main trunk)に有意の狭窄がおこると,前下行枝および回旋枝の全領域の心筋に虚血がおこり,きわめて危険な状態であり,その急性の完全閉塞はほとんど突然死をきたす。したがってこれに対しては大動脈冠動脈バイパス術(A-C bypass)が絶対的適応であるが,その手術成績はA-C bypass術一般に比して劣り,特に本症の意義が充分に認識されていなかった時代においては,冠動脈造影検査のみでも他の場合に比し高率の死亡が報告されてきた。Coronary ArterySurgery Study (CASS)1)における20項目にわたる手術死亡の危険因子に関する多変量判別分析の結果では,「90%以上のLMT病変」は「高齢」に次いで2番目の危険因子である。本論文では本症の外科治療の観点から諸問題について綜説する。
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