Japanese
English
特集 MRIによる心血管系の診断
多核種NMRの心筋への適用
Application of Multinuclear Magnetic Resonance to the Perfused Heart
亘 弘
1
,
村上 政隆
1
,
瀬尾 芳輝
1
,
常岡 豊
2
,
楠岡 英男
2
Hiroshi Watari
1
,
Masataka Murakami
1
,
Yoshiteru Seo
1
,
Yutaka Tsuneoka
2
,
Hideo Kusuoka
2
1岡崎国立共同研究機構生理学研究所
2大阪大学医学部第一内科
1National Institute for Physiological Sciences, Okazaki National Research Institute
2The 1st Department of Internal Medicine, Medical School, Osaka University
pp.497-507
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204865
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はじめに
核磁気共鳴(NMR)法の医学・生物学への応用は,フーリエ変換法,および超伝導磁石の導入によって近年急速に展開され,その測定対象は生体分子,細胞,摘出組織から生きたままの動物へと広められてきた。さらに画像化の技術によって,水分子の空間的に連続な情報が得られる手法(NMR-CT)が開発された1,2)。
NMR法は静磁場に置かれた核スピンが電磁波を吸収する現象で,分光法(スペクトロスコピー)の一つである。核種ごとに,共鳴周波数が大きく異なってつるため,他種の核の存在に干渉されることなく測定できる特徴を持ち,非破壊的な計測である。測定核種が1H,13C,23Na,31P,35Cl,と広げられてきたが,とくに1Hの自然存在比はほぼ100%で,しかも生体中には水分子は約40Mもあるので,NMR-CTのよい対象となった。
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