血球観察の基礎・2
杆核球と多核球との鑑別
衣笠 恵士
1
1都立駒込病院内科,東大・内科
pp.122-123
発行日 1971年2月15日
Published Date 1971/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917281
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年,東京都下の検査技士による血球観察の研究会が何度か行なわれましたが,その最終回に出された質問が杆核球の問題でした.日常の血球検査で常に接しているはずの杆核球についても,定義上いろいろと見解の相違があり,なかなかむずかしい問題を含んでいます.10年ほど前,小宮悦造先生の指導のもとに正常健康人の血液像が大規模に調べられ,そのときに,同一塗抹標本を回覧して各人のデータを比較したことがありますが,血液学を専攻している人たちの間でも杆核球に対する解釈は非常にまちまちで,測定値は3—20%ぐらいの開きが認められました.今回は杆核球の問題を取り上げてみます.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.