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特集 画像診断—最近の進歩
急性前壁心筋梗塞における冠動脈閉塞時間と梗塞範囲—201T1心筋断層法(ECT),心プール法,およびCK-MB遊出量による検討
Myocardial infarct size vs duration of coronary artery occlusion in patients with acute anterior myocardial infarction: assessment by thallium-201 emission tomography, gated cardiac pool study and CK-MB release
田巻 俊一
1
,
神原 啓文
1
,
門田 和紀
1
,
村上 知行
1
,
鈴木 幸園
1
,
野原 隆司
1
,
河合 忠一
1
Shunichi Tamaki
1
,
Hirofumi Kambara
1
,
Kazunori Kadota
1
,
Tomoyuki Murakami
1
,
Yukisono Suzuki
1
,
Rhuji Nohara
1
,
Chuichi Kawai
1
1京都大学医学部第三内科
1The Third Division, Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.235-240
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204402
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急性心筋梗塞症における梗塞の大きさは,発症後の心機能や予後に最も大きな影響を与えると考えられる1)。心筋梗塞発症後の治療の究極の目的はいかに梗塞サイズを最小限にとどめるかにあるが,冠動脈内血栓溶解療法の臨床への導入2〜4)はその試みを現実のものとしつつある。しかし,この様な治療法が梗塞サイズに及ぼす効果の判定には,できうる限り正確な評価法が必要となる。201T1心筋シンチグラフィーは局所心筋血流分布を描出するため,臨床的な梗塞サイズの評価法となりうる5)。われわれは201T1心筋断層法(emission CT:ECT)を応用して,梗塞心筋の三次元的把握を試み,従来の二次元像に比べてより的確な評価が可能となることを報告5)してきた。そこで今回,急性期に冠動脈造影および冠動脈内血栓溶解療法を施行した急性前壁梗塞例を対象として201T1—ECTを用い,心筋血流分布の観点から冠動脈閉塞時間と梗塞サイズの関係について,さらに心プール法による左心機能と血清creatine kinase-MB遊出量(ΣCK-MB)の面からも検討を加えたので,その成績を報告する。
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