Japanese
English
研究
ウシ腸間膜リンパ管における弁部の構造と機能
Relationship between structure and function in the valvular region of bovine mesenteric lymphatics
大橋 俊夫
1
,
福嶋 幸代
1
,
東 健彦
1
Toshio Ohhashi
1
,
Sachiyo Fukushima
1
,
Takehiko Azuma
1
1信州大学医学部第1生理学教室・心脈管病研究室
1Department of Physiology and Research Laboratory for Cardiovascular Diseases, Shinshu University School of Medicine
pp.533-540
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204229
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リンパ管は各臓器・組織で産生されたリンパ液の輸送路である。したがって機能的には"リンパ駆動機転"と"それに対する調節機構"が問題となる。リンパ駆動機転は大別して,(1)リンパ管外に存在する呼吸運動を含めた筋肉活動や動脈の拍動などに応じた外力に基づく受動的なリンパ輸送様式1,2)と(2)リンパ平滑筋の自発的な活動に基づく能動的な輸送様式3〜6)に区別することができる。
われわれはこうしたリンパ輸送様式を解析するために,ウシの腸間膜リンパ管を用いて,リンパ管の基本的な力学的特性と弁の耐圧性を中心とした輸送管としての機械的特性を調べてきた6,7)。あわせて,能動的なリンパ輸送様式を知るために,リンパ平滑筋の自発性活動の発生機序とその制御機構を検索した6,7)。すなわち自発性収縮に対応するリンパ平滑筋の電気現象を蔗糖隔絶法8)あるいはガラス微小電極法9)を用いて記録し,さらに自発性収縮の形態学的裏づけを電子顕微鏡を用いて検索した10)。また能動的リンパ輸送様式への制御因子の1つとして生理的活性物質を取り上げ,これらに対するウシ腸間膜リンパ平滑筋の反応性を比較検討した。その結果,リンパ平滑筋のbradykinin11),5—hydroxytryptamine12)に対する高い感受性を認めた。
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