Japanese
English
綜説
運動負荷心筋シンチグラフィ—その実際と臨床的意義
Myocardial imaging with thallium-201 during exercise
西村 恒彦
1
,
植原 敏勇
1
,
林田 孝平
1
,
大嶺 広海
1
,
小塚 隆弘
1
,
斉藤 宗靖
2
,
菅野 和治
2
,
住吉 徹哉
2
,
黄田 純子
2
,
平盛 勝彦
2
Tsunehiko Nishimura
1
,
Muneyasu Saito
2
1国立循環器病センター放診部
2国立循環器病センター内科
1Dept. of Radiology, National Cardiovascular Center
2Dept. of Int. Med, National Cardiovascular Center
pp.359-371
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204204
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運動負荷心筋シンチグラフィは,Zaretら1)が,43Kを用いて虚血性心疾患に臨床応用を行なったことに始まり,201TlClの導入とともに,安静時,運動負荷時心筋シンチグラフィにて梗塞,虚血部位の検出が行なえることから汎用されてきた。次いで,Pohostら2)が,201TlClの虚血心筋部位への再分布現象を見出して以来,201TlClの1回静注に2時間経過とともに虚血,梗塞部位の鑑別,すなわち心筋のviabilityが把握できることから,運動負荷検査法のうちでも,負荷心電図以上に虚血の検出にsensitivity,specificityの高い検査法として確立されつつある3〜5)。
その原理は,正常および冠狭窄部位における冠血流量の相対的な差異を201TlClの心筋血流分布として視覚的に同定できることによる。したがって,本法は非観血的に,虚血部位,拡がりを推定できる方法として虚血性心疾患の診断法として位置づけすることができる。
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