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特別寄稿
物理学者のみた血液の微小循環系(II)
A Physicist Looks at the Microcirculation
大島 宣雄
2
Harold Wayland
1
1カリフォルニア工科大学
2筑波大学基礎医学系
pp.1197-1209
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204126
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螢光物質を用いた研究
以上の研究を行なっていた当時は,われわれは微小血管床を透過照明によって観察していました。これは,赤血球のヘモグロビンによる光の吸収によって,微小血管と周囲組織との間にコントラストがついて都合がよかったからです。この方法は,脂肪沈着部を除けば非常に透明でしかも一層の微小血管があるだけの腸間膜ではよい結果を得ることができました。後に,ウプサラにあるKarl Arforsの実験室を訪れてから,私は螢光トレーサを利用することにとても興味をいだくようになりました。この系では螢光色素からの励起された光線がわれわれが観察したい領域から出ていることになります。
第二次世界大戦中,私は,暗い海水中で作業するダイバーのための照明の改良の研究に従事した多少の経験があります。自ら発光する物体は,吸収あるいは散乱光で観察しうるよりももっと悪い条件下でも,観察,同定されうるのは明らかであります。——ちょうど,霧の中を車を運転したことのある人ならばだれにでも明らかな経験と同様であります。
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