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特別寄稿
物理学者のみた血液の微小循環系(I)
A Physicist Looks at the Microcirculation
大島 宣雄
2
Harold Wayland
1
1カリフォルニア工科大学
2筑波大学基礎医学系
pp.981-992
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204089
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教育者としての大部分の時間を,工学部で数学を教えて過ごしてきた一人の物理学者が,何故に微小循環のような研究をしているかを説明することは必ずしも容易ではありません。私の場合には,この説明を二つの部分に分ける必要がありそうです。その一つは,最初の刺激となった興味深い初体験であり,二つめは,この研究を自分の仕事として進めるまでに到った決定的な一押しといえるできごとでありました。
これらの話はすべて,私がアメリカ—スカンディナビア財団のpost-doctoral fellowとして,1936年から37年の一年間をデンマークのコペンハーゲンにあるNiels Bohr研究所で理論物理学の研究をしていた時にはじまります。私と妻Virginiaが住んでいた同じペンションにはMelvin Knisely*1博士とVerona夫人がおりました。Kniselyは微小循環におけるかの偉大な人物,August Krogh*2教授の所で研究をするためにコペンハーゲンに来ておりました。彼は自分の微小循環の研究に物理学の方法を応用することにとても興味をもっており,博士の研究の多くの輝かしい刻印であった水晶の棒状照明装置を使って活発に仕事をしていました。
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