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現在,心不全治療に対しては最近の末梢血管拡張療法やドーパミン,ドプタミンなどの新しい薬剤の使用が試みられているもののジギタリス剤およびフロセミドは基本の薬剤であり外来患者にも広く投与され,欠かすことのできないものとなっている。ところが,とくにジギタリス剤においては治療域が狭いため投与量が多くないのにもかかわらずジギタリス中毒をきたすことも稀でない。また種々の病態や薬剤でジギタリスの血中濃度の変動がみられることもわかってきている。そのため限られた施設ではジギタリスの血中濃度を測定してそれを指標に治療がおこなわれている。しかし,血中濃度の測定によっても中毒量と治療量の重なりがみられ,ジギタリスの最大の効果量を得るには中毒症状の発現に注意しながら投与量を漸増しているのが現状である。
そこで,われわれは患者より容易に得られる赤血球を検体として,その細胞内の電解質の変化がジギタリス治療の指標になりうるかを検討するためにジゴキシンとフロセミドによる赤血球内Na, K (以下RBC-Na, RBC—K)を測定し,それらの薬剤の影響を観察した。
We determined erythrocyte sodium concentra-tions (RBC-Na) and potassium concentrations (RBC-K) associated with digoxin therapy and furosemide therapy.
Mean values of RBC-Na and RBC-K were 9.72 mEq/L, 101.58 mEq/L in 75 males and 9.44 mEq/ L, 102.29 mEq/L in 59 females respectively.
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